おすず治療室がお伝えする医食同源『食べ物はくすり』第三弾は…
トマト☆
トマト☆
鮮やかな色で食卓を彩るトマト…味も香りも独特です。
旬は7~8月で、そのころに食べる露地ものの完熟トマトの味は格別で
栄養も大変優れています。
原産地は南米のペルー。
16世紀以降に鑑賞用としてヨーロッパに広まりました。
最初に食用したのは18世紀ころで、
主にソースの原料として使われました。
生で食卓に並ぶようになったのはつい100年ほど前からです。
日本には江戸時代に入ってきましたが、
やはり鑑賞用で、唐柿と呼ばれていました。
明治の初めは赤ナスと呼ばれ
やはり鑑賞用で、食用にされたのは明治半ば以降。
現在のようにいつでも食卓にのぼるようになったのはつい最近のことです。
炭水化物や食物繊維のペクチンなどのほか
鉄・リン・カリウムなどのミネラル類も豊富です。
~天然の胃腸薬~
西洋には…
『トマトのある家に胃病なし』『トマトが赤くなると医者は青くなる』
ということわざがあります。
トマトをよく食べると胃腸が丈夫になり、病気知らずになるというわけです。
トマトはクエン酸・酒石酸・リンゴ酸・コハク酸などの有機酸を含み
胃の働きをよくし、食欲を増進させます。
とくにたんぱく質の消化がよくななりますから、
肉や魚の料理にはぜひ添えたい野菜です。
夏バテで食欲が落ちたり、二日酔いで胃がすっきりしないときなどには、
トマトジュースが最適。
トマトは胃の粘膜を保護し、胃酸過多・胃炎・胃潰瘍などにも有効です。
また…便通をよくし、便秘の解消にも役立ちます。
~血管を丈夫に~
トマトには、ビタミンPやビタミンCなどが含まれています。
ビタミンPはビタミンCといっしょに働き、
毛細血管壁を丈夫にしたり、出血の予防や治療に役立ちます。
血管を作用する結果、血圧を下げたりする働きがありますから
高血圧の改善や眼底出血の予防などに役立ちます。
カロリーが低いので、肥満や糖尿病などの予防と治療にも応用されています。
市販のトマトジュースには塩分がたくさん含まれているものもありますから
表示をよく見てから求めましょう。
しぼりたてのジュースの薬効は格別。
形は悪くても、完熟・新鮮・安価なものをジュースにしたいものです。
~肝臓の働きを活発に~
トマトはほどよい甘みと酸味が魅力。
気分がさわやかになり、疲労の回復を早めます。
脂肪の消化を助けるビタミンもありますので、肝臓の負担が軽くなります。
解毒作用、血液をキレイにする働き、体のほてりをしずめ
のどの渇きをいやす効果もあります。
葉酸というビタミンは、貧血の防止に役立ちます。
トマトは美肌づくりにも適しています。
ビタミンA・ビタミンB²・B⁶・葉酸・C・Hなどの
皮膚によいビタミンがたくさん含まれているからです。
さらに有機酸が新陳代謝を促進し、シミやシワを治し、肌をスベスベにします。
ビタミンPも毛細血管に働き、皮膚に栄養を送ります。
美肌づくりにはトマトジュースや生食が適しています。
~ガン予防にも有効~
あるアメリカの栄養学の権威は…
トマトの薬効としてガンの危険を下げることを第一にあげています。
トマトをよく食べる人のガン死亡率は、
あまり食べない人の半分だったという調査結果もあります。
トマトは、胃ガン・肺ガン・前立腺ガンのほか、
『すべてのガンによる死亡率が低率のアメリカ人高齢者が
最も多く食べている食品の一つとして浮かび上がってきた』
といいます。
トマトの色はリコピンというカロテノイドです。
ガンのもとになる活性酸素を消去する働きが
ベータ・カロテンよりも強いと注目されています。
またリコピンには、動脈硬化を予防する働きがあることが報告されています。
植物にはめずらしくグルタミン酸などの天然アミノ酸類が多く、
脳細胞の働きをよくするので、いわば“頭のよくなるくすり”です。
~トマト母乳~
トマトの中には、アレルギーのときに体の中にできる物質と同じもの
(ヒスタミン・アセチルコリン・セロトニンなど)が含まれています。
ですから、授乳中はできるだけ控えたい食べものです。
また、離乳食でトマトを食べると…
赤ちゃんの口のまわりがかゆくなったり、赤くなったりすることがあります。
大きくなったら食べられるようになりますから
あまり早くから与えるのはやめたいですね。。。
~鍼灸おすず治療室~
(0985)22-2339